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■ごきげんポイント
- サンプリングロボットによる高精度サンプリング
- 豊富なプリセットと詳細な音作り
- 音質、機能、価格のバランス
■いまいちポイント
- CPU負荷が高い
- プリセットの読み込みに時間がかかる
- 空間シミュレーションに環境音が含まれる場合がある
Pianoverse MAXは、IK Multimediaが開発した高品質なピアノ音源バンドルです。
ヤマハ、スタインウェイ、ベーゼンドルファー、ファツィオリなど、世界的に有名なピアノブランドの8種類のモデルを収録しています。
最大の特徴は、独自開発のサンプリングロボットを用いた精緻なサンプリング技術によって実現された、リアルで自然なピアノサウンドだそうです。
Pianoverse MAXの特徴
Pianoverse MAXに収録されているピアノの種類とメーカー
Pianoverse MAXには、世界的に有名なピアノメーカーのピアノをサンプリングした、8種類のピアノモデルが収録されています。
各モデルのベースとなったピアノとメーカーは以下の通りです。
- Concert Grand YF3: Yamaha® CFIII コンサートグランドピアノ
- Royal Upright Y5: Yamaha® U5 アップライトピアノ
- NY Grand S274: Steinway & Sons New York D-274 コンサートグランドピアノ
- Black Diamond B280: Bösendorfer 280 Vienna コンサートグランドピアノ
- Gran Concerto 278: Fazioli F278 コンサートグランドピアノ
- Hamburg Grand S274: Steinway & Sons Hamburg D-274 コンサートグランドピアノ
- Liberty Upright: Koch & Korselt アップライトピアノ
- Black Pearl B200: Bösendorfer 200 ピアノ
これらのピアノは、IK Multimediaが独自に開発したサンプリングロボットを使用して、各ピアノの個性を忠実に再現しています。
ロボット・アシスト・サンプリングとは?
ロボット・アシスト・サンプリングとは、ピアノの音を録音する際に、人間ではなくロボットを用いて鍵盤を叩くサンプリング方法です。
IK Multimediaが開発したピアノ音源Pianoverseでは、このロボット・アシスト・サンプリングが採用されています。
ロボット・アシスト・サンプリングのメリット
従来のサンプリング方法では、人間のピアニストが演奏した音を録音するため、どうしても演奏者のタッチのばらつきが生じてしまうという問題点がありました。ロボット・アシスト・サンプリングでは、ロボットが人間では不可能なレベルで正確なタッチとベロシティを再現できるため、よりリアルで自然なピアノサウンドを実現できます。
具体的には、Pianoverseの開発においては、各鍵盤のタッチカーブを計測したデータに基づいてロボットに打鍵させています。これにより、モデリング音源に匹敵する正確なベロシティレイヤーを得ることが可能になりました。
また、ロボットは長時間演奏しても疲れないため、長時間にわたるサンプリング作業を安定して行うことができます。Pianoverseの開発では、ロボットが数年にわたってサンプリング作業を行ったとされています。
このように、ロボット・アシスト・サンプリングは、従来のサンプリング方法では難しかった高精度で安定したサンプリングを可能にする技術です。
メーカー受け売りですみません。
SPACE機能:多様な空間を再現するリバーブ
SPACEは、Pianoverseに搭載されているコンボリューションリバーブで、30種類もの空間をシミュレートすることができます。
- 単なるコンサートホールやスタジオだけでなく、倉庫や金庫室、さらには氷山、砂漠、火星といった現実には不可能な空間まで選択可能です。
- それぞれの空間にはイラストが用意されており、視覚的にも楽しめます。
- SPACEはSEND/RETURNで組まれており、RETURNにおいてはMASTERパラメータやSPACE画面右下でコントロールできます。
- さらに、Pianoverseに搭載されているミキサー機能を使えば、より詳細な調整も可能です。
Pianoverseでは、クローズマイクとSPACEを組み合わせて音像を作っていくという手法がとられています。
SPACE機能は、Pianoverseの大きな特徴の一つであり、リアルなピアノの音だけでなく、クリエイティブな音作りも可能にするという点で、Pianoverseの魅力を高めています。
内蔵エフェクターとその機能
PianoverseのEFFECTSタブでは、12種類のクリエイティブエフェクト を使用することができます。これらのエフェクトは、ピアノ音源の音作りをさらに深めるために設計されており、3つのスロットに挿入して使用できます。最初のスロットはセンドエフェクトで、2番目と3番目のスロットはインサートエフェクトです。
各エフェクトには、パラメーターを微調整するためのノブが用意されています。また、エンベロープジェネレーターとLFOが2系統ずつ用意されており、これらを使用してエフェクトのパラメーターを複雑に制御することができます。
以下は、それぞれのエフェクトの種類と機能を箇条書きでまとめたものです。
空間系エフェクト
- Particles: ピッチシフトと複雑なフィードバックパスを備えた高度なデジタルディレイ。シンプルなエコーからSF的なスタッター、持続的なクラウドまで、あらゆるものを作り出すことができます。
- ConvoMorph: 2つの畳み込みインパルス応答間を連続的にモーフィングできる新しいリバーブ。エンベロープ、LFO、またはモジュレーションホイールやペダルなどの外部コントローラーによってモジュレーションすることで、信じられないほど複雑で進化するサウンドを作成できます。
- Shimmer: 最大1オクターブ上下にサウンドをトランスポーズするピッチシフターと組み合わせたリバーブエフェクト。ピッチは内部LFOでモジュレートすることもできます。
- Vintage Plate: メカニカルプレートによって生成された空間の効果を作成するために、ハードウェアリバーブユニットをモデルにしたもの。リバーブのモジュレーション(コーラス)、低周波数をロールオフするための入力ハイパスフィルター、高周波数をロールオフするための出力ローパスフィルターを追加制御できます。
変調系エフェクト
- Choral: アンサンブルの音をシミュレートするために、変調されたディレイラインに基づくクラシックなコーラスエフェクト。
- Rephase: 選択可能なステージと可変フィードバックを備えたアナログスタイルのフェーズシフター。
ダイナミクス系エフェクト
- Comp: 音の強弱の差を縮め、音圧を上げる効果があります。Pianoverseでは、モダン、ビンテージ、ブリティッシュ、バリミューの4種類のコンプレッサーモデルから選択できます。
フィルター系エフェクト
- Filter: 選択可能なスロープとモードを備えたクラシックなシンセサイザーフィルター。選択した帯域周辺の低周波数、高周波数、または低周波数と高周波数の両方をフィルタリングできます。
その他エフェクト
- Reelab: ワウとフラッター、サチュレーション、エイジングを個別に制御できるIKのアナログテープエフェクト。
- Lo-Fi: サウンドの帯域幅を狭め、歪みを加え、ステレオイメージを狭めることで、純粋ではない、雰囲気のあるサウンドを作成できます。
- Overdrive: 典型的なギターのストンプボックスやアンプのスタイルで波形をクリップして、トーンをよりアグレッシブにします。
- Saturator-X: トランスやチューブなど、さまざまな愛されているクラシックなサチュレートハードウェアをモデルにしたもの。
これらのエフェクトは、単体で使用することも、複数組み合わせて使用することもできます。これにより、Pianoverseの音源をさらに多彩な音色に変化させることができます。
例えば、空間系エフェクトと変調系エフェクトを組み合わせることで、幻想的な雰囲気を醸し出すことができます。また、ダイナミクス系エフェクトとフィルター系エフェクトを組み合わせることで、迫力のあるサウンドを作り出すことも可能です。
PianoverseのEFFECTSタブは、ユーザーの創造性を刺激する無限の可能性を秘めた機能と言えます。
余談ですが、エフェクティブな次世代ピアノという面では Arturia の Augmented GRAND PIANO がより面白いかなと思います。
まとめ
最新技術と豊富な機能を紹介しましたが、正直読み込みに時間がかかります。
サクサク気持ちよく使うというより、こだわって追い込みたい場合がお勧めです。
でも、こだわったサウンド、空間表現、多彩なエフェクトは唯一の個性として光っていると思います。
バンドルをセールで買うと執筆時は$100程度でしたが、価値はるかにそれ以上でしょう。
正直、ピアノ音源にこだわってお金かけてる人は、概ね購入していると思いますがいかがでしょうか。
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