2018年、2019年は台風により大きな被災があり、
防災意識がかなり高まりました。
防災グッズを用意した家庭も多いのではないでしょうか。
その際、自分の住む地域の被害予想や、
近くにある施設の状況を知ることで、
万が一の場合に混乱や不安を軽減できると思います。
今日はそんな「知っトク」に役立つ
「災害図上訓練(DIG)」について
書きたいと思います。
災害図上訓練(DIG)とは
災害図上訓練(DIG)とは
「Disaster (災害)、Imagination(創造)、Game(ゲーム)」
の頭文字をとったものだそうです。
大きな地図をみんなで囲み、経験したことのない
災害をイメージして地域の課題を発見し、
災害対応や事前の対策などを検討するための手法の一つとのこと。
どんなことをやるのかは以降書いていきます。
DIG訓練の流れ
内閣府のページからの引用です
DIGの進め方(一例)
オリエンテーション(DIGとは何か、目的の確認、自己紹介など)
内閣府・防災情報のページより
↓
被害想定や過去の被害映像・写真を見て、具体的な被害イメージを持つ
↓
新旧の地図を比べ、地形から読み取れる災害リスクや土地利用の誤りを理解する
↓
住宅地図の「塗り絵」を通して、「まちのつくり」を理解する
↓
さまざまな防災資源(人・物・こと)にシールをはり、防災「財産目録」を作る
↓
でき上がった地図を見ながら、防災に関するまちの「メタボ度」をチェック
↓
予防策についての話し合いと、出されたアイディアの発表・共有
DIGに必要なもの
- 大きな地図(昔の地図と、市町村地図や住宅地図など テーマに応じて拡大コピーし、畳2枚大に貼り合わせる)
- 透明シート(地図にかぶせて書き込むのに使う。複数枚 用意)
- 油性のカラーペン(太字・細字両用の8〜12色セットが 便利)
- テープ類(地図や透明シートの固定に使うガムテープや はがせるテープなど)
- 付せん(地図上に表示したり、意見を書き出すときに使う)
- ラベルシール(地図上にマーキングするときに使う)
- 模造紙やホワイトボード(意見を書き出すときに使う)
DIGの様子
実際にはこんな感じで実施されました。
次のスライドに沿って作業をします。
災害の起きやすいところを知る
情報の入力となるのは次のような資料です。
ハザードマップに反映されていなくても、
その土地がもともとどんな場所だったかも考慮した方が
よいそうです。
例えば
- 沼地を埋め立てたところ
- 田んぼを埋め立てたところ
こういったところは地盤が弱くなりやすいそうです。
また、ハザードマップなどだけでなく、先人の知恵で、
地名などからも危険がわかるそうです。
例えば
- 「龍」の入った地名は川の氾濫の多いところ
- 「蛇」の入った地名は地崩れの多いところ
- 「鶴」の入った地名は鶴のように湾曲した川に囲まれ、水害の多いところ
などなど、いろいろあるそうです。
あと、新興住宅地などに多い、きれいな地名も
実は危険があるとか。
忌み名を嫌って、開発時に地名が変わったりしているそうです。
地域の現状を知る
実際に地図を使って、自分の住む地域の現状を確認します。
実際にやってみて思ったのは
「ハザードマップなどを見るだけでは頭に入らない」
ことでした。
地図に書き込み、手を動かすことで
初めて実感する部分が多かったです。
グループでやるのが効果的だと思いますが、
「家族でやってみる」「一人でもやってみる」
だけでも価値があると思います。
ちなみに、私の住む埼玉県は
県内で川の占める比率が全国No.1だそうでした。
住まいや近所を知る
今回のDIG訓練では、地域から家庭に、
マクロからミクロへという感じで
危険への視点を絞っていく形で進みました。
その中でお話しいただいたのは次のような
ものでした。
- 家具の転倒防止は必須
- 揺れで飛んできた本で亡くなった方もいる
- 食べ物飲み物の準備は家族で1週間分(かなり厳しいと感じた)
- クーラーボックスの用意
- 氷の備蓄をしておく。使うときは袋に入れてクーラーボックスへ、溶けたら飲用に
- 家庭に消火スプレーを用意しておく
- 地域に滞在・居住している有技術者(医師、消防士、土木施工管理技士など)と繋がろう
防災訓練の豆知識
普段行う防災訓練で、新しいアイデアもいただきました。
- 炊き出し訓練の時、米とガスは行政から無料で提供してもらえる
- 毛布担架レースや水消火器での的当てゲームを行うと、多少参加率が上がる
防災活動運営での負担の軽減と、
参加者の動員は常に過大なのはどこも同じだそうです。
そんな中、上記2点はありがたい情報でした。
むすびに
DIG訓練、ちょっと残念だったのが、
あまりゲームでなかったこと。
防災ゲーム「クロスロード」なんてのもあるので、
買ってみようかなぁ。
なんて思ったりしました。
もっとボドゲ寄りにしたゲームがあったらいいな
なんて思うので、ボドゲ好きの友人と
作ってみるのも面白そうです。
それはさておき、参加してみて、新たな知識や
興味がわいたのは大収穫。
講師の防災士さん、防災会の皆さん、
参加された皆さん、お疲れさまでした。
そして、ありがとうございます。