どうして学校では方程式を教えるときに
「xを左辺に移項する」と教えるのでしょう。
理解しやすいように教えようとの考えかと思いますが、
混乱とミスを埋め込んでいるのではないかと
感じてなりません。
ちょっと見方を変えて、文字式の利用が
楽になってほしいです。
要点は次の3つです。
- 式は右辺に書いても左辺に書いても同じ意味になります
- ミスも手間も増えるので、なるべく”-x”を作らないようにします
- 不等式の時にものすごくミスを防げます
では、一つずつ見ていきましょう。
xを右辺に書いても左辺に書いても同じこと
5x-3=6x+7
こんな問題があったとしましょう。
これを解くのに、学校の授業では、
次のように変形していきます。
⇒5x-6x=7+3
⇒-x=10
⇒x=-10
でも、次のように変形しても
おなじ解が出ます(同じ意味です)。
5x-3=6x+7
⇒-3-7=6x-5x
⇒-10=x …ここまででもよい
⇒x=-10
右辺に書いても左辺に書いても同じになりますよね。
これは、「等号の意味」から、正しいことが言えます。
なるべく”-x”を作らない
先の式で、「xを右辺に持っていくのは気持ち悪い」
という方もいると思います。
でも、ちょっと待ってください。
数学の気持ち悪さでいえば、それは「くせ」とか
「慣れ」「好み」程度のものです。
問題を解くことを考えたら、後々「楽」
「間違えにくい」「綺麗」な式のほうが
気持ちよくなりますから。
では、次の例題です。
2x-3y+6=3x+2y-1
これを”x”について解いてみましょう。
⇒2x-3x=2y+3y-1-6
⇒-x=5y-7
⇒x=-(5y-7)
⇒x=-5y+7
となりますが、大丈夫ですか?
x=-5y–7…間違い
となってる方はいませんか?
”x”を右辺に持ってきて計算してみましょう。
2x-3y+6=3x+2y-1
⇒-3y-2y+6+1=3x-2x
⇒-5y+7=x …ここまででもよい
左辺等辺をそのまま書き換えます。
⇒x=-5y+7
これなら間違えようがないですよね。
そして、気が付いてくださいましたか?
計算式が1行少なくて済んでるんです。
不等式の時に大きな差がつく
テストでよくある間違いなのですが不等式で、
「マイナスを掛けるたのに不等号の向きを変えていない」
ものを散見します。
2x-3>3x+5
⇒2x-3x>3+5
⇒-x>8
⇒x<-8
最後の1行、赤くしているところがよく間違っています。
そこで、”-x”を作らないで計算していきましょう。
2x-3>3x+5
⇒-3-5>3x-2x
⇒-8>x …ここまででもよい
⇒x<-8
間違えないとは言いませんが、素直に
左右を入れ替えたときは、不等号の向きも
入れ替えると思います。
むすびに
シンプルに、計算が複雑にならない値で
例を作ったので、「そんなに式を書かない」
と思う人もいるかもしれません。
でも、こんなシンプルな式でも差が出るんですよ。
複雑な式になり、一行一行に集中すればするほど
”-(マイナス)の掛け忘れ”、”不等号の反転忘れ”
が起きるのではないでしょうか。
学校では、ちょっとみんなとやり方が違い、
時には「そのやり方おかしい」なんて
言われるかもしれません。
しかし、正しく数式の意味を理解し、
好きな人に手紙を書くように、一文一文の意味を
考えて式にすれば大丈夫です。
本当に、式を見れば「あ、そんな風に考えたのか」
と分かるものなのです。
自信をもって、分かりやすい数式で
問題を解いていってください。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。