これからバンドでベースを弾くぜ!
と、胸躍らせてベースを始めたあなた。
楽器を弾いていると付きまとう機材の話題ですが、
ことベーシストは「プリアンプ」の話題が多いのでは
ないでしょうか。
今日はその「プリアンプ」について、
(もしかすると)ちょっと他のサイトとは
違った切り口でお話ししたいと思います。
プリアンプの働き
プリアンプとは何ぞや?
と説明し始めると、長い長いお話になるので、
ここでは一言で、
「プリアンプはベースサウンドを作るものである」
とまとめてしまいます。
アンプから音が出るまでに、プリアンプは必須で、
使わないことは絶対にありません。
ベースの音が出るまでの流れ
シールドのお話でも使った図ですが、
ベースからシールドで接続して、
アンプまでの流れはこうなります。
ベースの音は、ギターと違い、多くの場合
アンプで鳴っている音ではなく、
その前段のDIに入った音で会場に流れます。
なので、私は「DIに入る前に音を作り上げるべき」
と考えています。
3つある、プリアンプの配置場所
プリアンプには、大きく3種類の配置場所があります。
- 楽器の中に埋め込む
(アクティブピックアップと呼ばれる)
オンボード型プリアンプ - Stomp Box(フットペダル)型の
アウトボード型プリアンプ - アンプヘッドに内蔵されたプリアンプ
こんな感じに分けられます。
ベースからスピーカーまでに、
「プリアンプは1つ」というルールを作ると、
次のようになります。
1.オンボード型プリアンプ
「アクティブピックアップ」と呼ばれるものの正体は、
乱暴に言えば、楽器本体にプリアンプを内蔵させたものです。
多くは9Vの電池を入れて動かします。
Stomp Boxも9Vの電池で動くことを思うと、
驚くことではありませんよ。
大きさも、楽器のコントロールノブの
広がりから想像すると、
Stomp Boxのほうが小さいかもしれません。
この方法にはすこぶるメリットがあります。
それは、楽器に一番近い位置で、信号をローインピーダンス(ノイズの影響を受けない形)にできること。
ハイインピーダンスだと、10mのシールドで音が変わりますが、ローインピーダンスだと、100mのシールドでもほとんど変わりません。
デメリットは、気分でプリアンプを変えられないことでしょうか。
余談ですが、私はこの形式です。
2.アウトボード型プリアンプ
プリアンプと聞くと、このタイプを
思い浮かべるかもしれません。
冒頭に写真を載せた「SANS AMP」などが
有名です。
順当な設置です。
今はエフェクターを考えないので、
いちばんすっきりした接続だと思います。
ただ、1点注意してほしいことがあります。
「アクティブピックアップの楽器を使う場合
プリアンプが2重になっていること」
これ、結構見落としている場合があります。
音作りができる場所が増える=いろいろな音が出せる
は間違いではないのですが、同時に
音をいじれる場所が増える=音作りが難しくなる
ということにもなります。
まさしく私がこのパターンでした。
色々機材つなげて、かっこいいと思ってるんだけど、
音が作り切れずライブで自滅する。
私としては「パッシブピックアップ」の
場合に、ここにプリを入れることを
おすすめしています。
3.アンプヘッドのプリアンプを利用する
アンプヘッドは「プリアンプ」と
「パワーアンプ」から構成されています。
機種によってしまいますが、アンプヘッドの
「Send」からDIに入力することができます。
(直接コンソールに送れる機種もあります、
細かいことは今は割愛)
普段スタジオで使っているアンプなら、
いつもと同じアンプの設定が使える
のがメリットです。
ただ、事前にライブハウスと調整しておく必要が
あります。
通常ライブハウスでは、DIから
コンソールとアンプヘッドに分岐させています。
この接続順序を変えてもらうことになるので、
いきなり言うと、スタッフの方も対応
できない場合があります。
くれぐれも当日に言わないように。
多分ものすごい嫌がられるか、拒否されても
文句が言えないような注文です。
最近ですと、アンプヘッドもかなり小型化しているので、
アウトボードプリ感覚で使えるものも多いです。
再度になりますが、SENDとスピーカーOUTは
出力が違うので、間違えないようにという
ことだけ注意してください。
おすすめの接続位置
スタジオで
ライブを想定して、普段から
自分のプリアンプに使い慣れておくことを
おすすめします。
その場合、
- ベースアンプのリターンに接続する
- スタジオのミキサーに接続する
の2パターンで実現可能です。
機材を壊さないよう1点注意です。
楽器を直接ミキサーに挿すのはやめましょう。
プリアンプを通しているので直接挿すことは
ないと思いますが、プリアンプなしで
直接挿すのはご法度です。
さっきも出てきた、インピーダンスというものが影響しますが、
今はスルーでいいです。
とにかく、いきなり直接挿すと、
機材によくなく、最悪壊してしまうので
やめてください。
ライブの時
私のおすすめは、
- アクティブなら「DI直刺し」
- パッシブなら「アウトボードのプリアンプ使用」
です。
持ち運びが可能なら、何も言わず
アンプヘッド持参でいいとと思いますが、
私のように電車移動だと無理ですので。
パッシブで「DI直差し」でもいいのですが、
「スタジオで鳴らしている音とは違うよ」
となる恐れがあります。
なぜなら、スタジオでは「3」のイメージで、
アンプヘッドで音作りしています。
「DI直刺し」はアンプヘッド通らないですからね。
いつもとは音が違います。
ライブハウスの人が、いい感じにしてはくれますが。
おすすめプリアンプ
プリアンプは沢山あります。
アンプと同じくらい種類があり、
それ以上に好みがあります。
以下に代表的で、勝手に私のおすすめな
プリアンプを載せておきますね。
SANSAMP 『BASS DRIVER DI V2』
ベーシストならだれでも知っている、
超有名プリアンプです。
みんな「ベードラ」と呼びます。
私も一世代前のものですが愛用していました。
プリアンプとしてではなく、
オーバードライブ(歪みエフェクター)として
使っている方も多いです。
多くの方が使っている実績があるように
持っていて間違いのない一台ですね。
アンペグの音を簡単に作れますよ。
アンペグも自社でプリアンプ出してますが、
そちらより、アンペグの音がする気がしていますw
HAO 『BASS LINER』
BASS LINERは5 Band EQ
(50Hz, 160Hz, 630Hz, 2.5KHz, 12KHz)を搭載
したプリアンプです。
これがあると、Stomp Boxとして
イコライザーは不要になります。
また、ものすごくくせがないので、
ライブハウスのDIを通さず、そのまま
宅につないで欲しくなると思います。
EDEN 『WTDI』
高級アンプメーカー、EDENが出した
プリアンプです。
ものすごく音がまとまり、はっきりした音になります。
ブーストするとかいうのではなく、
輪郭がキリッとするというか、
解像度が上がるというイメージですかね。
パッシブのベースで、これ一台挟んだら、
もう何もいらないんじゃないかと思います。
誤解を承知でいうと、こればらして、
オンボードで載せたらどうよと思います。
好きなP.U.と組み合わせて、楽器に埋め込めば
立派なアクティブベースですw
一点注意は、電源が通常の9Vではなく、
15Vだという点です。
オンボードにするなら、電池2個必要です。
(まだ言うか!!)
むすびに
いかがでしたでしょうか。
音作りに欠かせない、プリアンプについて、
「知らないうちに使っていたのね」
というのと、どこにいるのかわかったでしょうか。
エレキベースにはなくてはならない
「プリアンプ」、うまく付き合っていきましょう。
だんだん沼にはまってきましたよね。
深い深い音楽の世界へようこそ。
そして、新たな楽しみに、ありがとうございます。
その他のベース関連記事をいかにまとめています。
ぜひ読んでいってください。