小学生の中学年以降になると、
「0」を使った四則演算(+、-、×、÷)
が出題されます。
「かごに3個のリンゴがあります。
もう一つ、かごに0個のリンゴがあります。
合わせていくつですか?」
「答えは3つです!」
このくらいだと(0個あるって気になりますが)
まだ想像できますが、だんだん矛盾が
発生してきて、理解できない状態に。
今日は、そんな「0」について
お話したいと思います。
ウォーミングアップ
タイトルの「0で割るってどういうことなのか」を
考える前に、その他の場合を確認していきます。
あ、足し算(引き算も合わせて)は
冒頭で確認したので、割愛しますね。
2に0をかけると
まずは、普通に掛け算のおさらいです。
「 かごの上にリンゴを 2個のせます。
このかごが3組あったら、リンゴはいくつですか?」
答えは「6個」でいいですね。
これが掛け算の考え方です。
では、同じように考えていくと、
「かごの上にリンゴを2個のせます。
このかごが1つもなくなったら、リンゴはいくつですか?」
かごが無ければ、その上のリンゴもないので
答えは「0個」でいいですよね。
0に2をかけると
「かごの上にリンゴは乗っていません。
かごが2つありますが、リンゴはいくつですか?」
そもそもリンゴが乗っていないのですから、
かごがいくつあっても、リンゴの数は0。
よって、答えは「0個」です。
0を2で割ると
「かごの上にリンゴは乗っていません。
かごの中のリンゴを2人で分けようとしたのですが、
一人何個もらえますか?」
割り算になると、こういうお話になります。
答えは、分けるリンゴがそもそもないので、
「0」になるのはよいでしょうか。
問題
「かごの上にリンゴを2個のせます。
かごの中のリンゴを0人で分けたいとき、
一人何個、リンゴをもらえますか?」
なんだか「学校の七不思議」のような
文になってしまいました。
答え
分ける人がいないのだから、
答えは「なし(解なし)」となります。
解説、というかいいわけ
数学の世界って、意外とご都合主義です。
「負の数」など、リンゴが”-1個”とか
真顔で言うくせに、「ないんじゃ割れないよね」
と、平気で言います。
だいぶん「もやっと」していると思いますので、
少し数式など書いてみると、
6 ÷ 3= x (早速”x”を使いました)
の答えは「2」ですが、式を変形すると、
x × 3 = 6
と書くことができます。
(”=”でつながれた両辺に対しては
同じ数を”+”、”-”、”×”、”÷”しても
両辺の関係は壊れない、ということが
分かっています。
6 ÷ 3 = x
6 ÷ 3 × 3 = x × 3
6 = x × 3
左右を入れ替えて
x × 3 = 6
となります)
このときの x は、
「2」でいいですよね。
つまり、
a÷b= x は
x × b = a
と書いてよいことになります。
では、
6 ÷ 0 = xを書いてみると、
x × 0 = 6
になりますが、そんな x は存在しませんよね。
(”0”に何をかけても”0”になるのは
前述しました)
このことからも、「”0”で割る」ことは
できないといえるのです。
2の0乗はなぜ”1”なのか
最後に、乗数について考えたいと思います。
だいぶおなかいっぱいだと思いますが、
これで最後なので、頑張りましょう。
2の1乗は2です。
2の2乗は4。
2の3乗は8。
2の4乗は16です。
この計算は、
2(1乗は1回かけるのでそのまま)
2×2=4
2×2×2=8
2×2×2×2=16
という計算をします。
では、2の0乗はどうして”1”なのでしょうか。
実は、上に書いた式は不完全なのです。
2の1乗のところで、
「1乗は1回かける」と書きましたが、
『何に1回かけるのか』が書いていません。
その『なに』の中身は、じつは”1”と
いうわけです。
式を書き直すと
1×2=2
1× 2×2=4
1× 2×2×2=8
1× 2×2×2×2=16
こんな感じです。
改めて2の0乗を考えると、
2を0回かけるということですから
1(2を0回かける。言い換えると何もかけない)
ので、「2の0乗は”1”」ということになります。
2に限らず、どんな数でも、
0乗が”1”なのは、もう大丈夫ですね。
むすびに
今日は、分かるようでわかりにくい、
「0」についてお話してみました。
いかがでしたか?
”0”は数学会で特別で、少々扱いずらい
数ではありますが、その分大切な存在です。
まずはイメージを持つことが大切です。
これから、”0”とうまく付き合っていきましょう。
迷宮のようだけどワクワクする数学の世界に、
ありがとうございます。